10周年コメント:ケガニ6

クリスマスも終わりました。ツリーを門松に置き換えて、コタツでミカン食べましょう。今日もケガニがコメント更新です。

 

この辺の記憶はなつかしさもあいまって書いててスーパーめんどくさいメンタリティになってしまいますな。でもとりあえず、更新はあと2回です。ぼちぼち今の松ノ葉楽団の原型になってまいります。

 


 

なんとなくバンドのテンションが上がってきた時期に、ふたたび立ちはだかる壁が「就活」だった。ベースのヨコイが大変そうだったので、活動ペースを落とそうかという話になった。それでも、面接の後にライブ、みたいなこともあったような気がする。就活の採用段階が進むと、わりあい急に面接が入ったりするのでライブの後に同日に決まってしまったりするのだ。かなり無理させたと思う。立場上、ライブの入り時間に遅れたら何か言わないといけないけれど、彼女のつらそうな顔を見るとこちらもつらくなって何も言えなかったりした。バンドのモットーが「生活第一」なのは、このときの経験あってのことだ。

 

そうこうしているうちにバンドの方向性も変わった。「Green Beans」という曲ができ、「One Scotch, One Bourbon, One Beer」という曲の日本語詞をつけた頃から、僕はギターをエレキからアコギに持ち替えた。理由は簡単で、こういう曲ができてしまったからだ。もともとメロディの気持ちよさから曲を作るバンドだったけれど、そのときはアメリカのルーツ音楽からくるものがしっくりきた。最初はどちらかといえばオルタナティブな感じのロックバンドだったけど、もともとブルースやジャズが大好きだったことがここでやっと合流したという感じだった。コード進行を少し変えるだけで自然にメロディが浮かんだ。そして、なぜメジャーセブンスやディミニッシュ、シャッフルのリズムが気持ちいいのか、などという好奇心もあいまってどんどんのめりこんでいった。日本語でそういう音楽を歌う若いバンドがあんまりない、ということもこのときのいきおいに拍車をかけた。

 

部室でCDを録音し、内輪で販売したりしたし、それによってさらに活動の幅が広がったりもした。このころ一緒に演奏してくださったミュージシャンといえば、the pumpkins、かわはらだゆうまくん、fuyuco.さん、ナキミソさん、あまやどり、タカダスマイルさん、花柄ランタン、庭、tailless dog、アンジェリカレイダース、星の王子さまたち、花泥棒、中村佳穂さん、今出川ラナウェイズ(現、台風クラブ)、風の又サニー、イソフラボン、雨市、スリープウィーク、The Lifelive、リリィズ、安藤明子さん、ウオザ、ペテンズ、山下キヨシくん、ええじゃないか、獣ヶ原、藤村光太くん、ベリーブー、ノヤマシラカワ、壱姫弐太郎、アパートくん、まめのきウェンズデイ、などなど(順不同、漏れがあったらすみません)。やっとバンドが形になってきたような感じがあった。そうこうするうちに、別のバンドで一緒にライブしたことがあったギターのりょーさん、キーボードのかんじょうさんがサポートしてくれるようになった。曲が簡単でやりやすかったこともあったのかもしれない。ともかく、こうして人を巻き込んでやっているのだから、そういう自分こそちゃんとリーダーとボーカルとしての自覚をもたないと意味がない、と遅まきながら思った時期だった。さて、ドラムのトミーが就職して東京に行く、とわかったのはそんな矢先だった。