大好きな松ノ葉楽団のみんなががわらわらとウチに遊びに来て、いつものように何でもない話をしながら呑んでいたら誰彼ともなく勝手に演奏を始めやがった。
俺はただ万年床に寝そべって飲みかけの焼酎なんか呑んでいるうちにいつの間にやら寝てしまってたらしい。
目が覚めたら彼らの姿は何処にもなく、テーブルの上にはひとり飲み散らかした昨夜の残骸と、濡れないようにだろう、コースターの上にぽん、と置かれた一枚のCD。
あと片付けは後にして、"JIVE"と書かれたそれをまた、今度は珈琲飲みながら。
大石みつのん
松ノ葉楽団、結成15周年おめでとう。
調べてみたところ、出会ったのは2015年の11月。かれこれ8年の付き合いになる。
この8年で彼等とはたくさん共演をし、語らい、酒を交わし、尊い時間をたくさん過ごしてきた。次は20周年、30周年と、まだまだ彼等と一緒に音楽をし、語らい、酒を交わしたいと、心の底から思うばかり。
今年の春にケガニ氏から「ニューアルバムを出すんだけどマスタリングをお願いできないか?」と連絡をもらった。
僕は専業のエンジニアではないので、自分の作品は自分でやってはいるけど、人の作品をやるのは怖いからやらない、と一度は断ったのだ。しかしケガニ氏からそれでも高木君にやって欲しいと言ってもらい、思い切ってやってみることにした。ルーツミュージックへのリスペクトで溢れる松ノ葉楽団。そんな彼等が一つの部屋で生音でバランスを取って一発録りしたと聞いて、良くないわけがないと思った。
思った通りの快作。『Jive』素晴らしいタイトルだ。スタンダードナンバーと彼等の名曲の再録音を織り交ぜた、最高の10曲。作業をしながら何度も何度も聴くが、彼等の優しさ、音楽愛、そして彼等のトガッた部分、その全てが愛おしく、涙が出る。
こんな素晴らしい音楽が同世代の彼等から生まれる事が本当に嬉しく、関われた事を誇りに思う。京都でたくさんの人達に愛されている彼等。このアルバムを引っさげて彼等の音楽が日本中、いや、世界中のミュージックラバーの心と鼓膜を震わせる事を、心から祈っています。
高木大丈夫